M&A,事業承継,法人支配,倒産処理

当事務所は,会社その他の法人に関する事業承継・倒産処理等に関する300件を超える事案を扱ってきています。従って,ここでご紹介するのは,そのごく一部で,単純な株式譲渡契約や破産申立以外で参考となると思われる事案をピックアップしています。

  1. 民事再生を利用して事業承継した事案
    本体の製造業は収益性を確保できますが,他の要因によって企業経営が困難になった場合に,スポンサー会社の協力を得て,民事再生手続を利用して債務を圧縮し,再生計画認可後,全株式をスポンサー会社に譲渡し,事業承継を成功させました。
  2. 会社分割を利用して事業承継した事案
    サービス業と不動産賃貸業を経営する株式会社が,サービス業部門だけを売却したいという要請を受け,会社分割を利用し,サービス業部門だけの事業承継を成功させました。
  3. 相続した株式を譲渡しM&Aを成功させた事案
    後継者を養成しないまま株式会社の全株式を保有する経営者が死亡され,相続人は全くその経営に関与しておらず,将来もその経営を担う意思がないというケースでした。その相続人から依頼を受け,弁護士が代理人として株主権を行使し,経営を監視すると共にしかるべき譲受人に対し株式譲渡をし,事業承継を成功させました。
  4. 相続した株式を適切な価格で譲渡した事案
    株式会社の株式の40%を保有する経営者が突然死亡されました。その会社の残りの株式は,15%をその経営者の親族で会社の経営に関与していない人が保有し,45%は経営に関与している後継者3人が保有していました。経営者の相続人は会社の経営に関与するつもりがないので,その親族と協力して相続した株式を適正価格で後継者達に譲り受けてもらいました。
  5. 学校法人の経営権の委譲を成功させた事案
    学校法人の経営が今後厳しくなることが見込まれ,現理事長が経営を支えきる自信がないということから,退任する理事長等の適正な退職金を確保し,力のある実業家に経営をお委せすることとし,そのための手続全体を学校法人の代理人として処理しました。
  6. 医療法人の経営上の問題を解決した上で支配権を委譲した事案
    病院創立者の医師理事長が死亡された後,その妻が医療法人の理事として実質的な運営にあたってきましたが,監督が不十分になり理事の一部に経営上不都合な行為が認められるなどの問題が生じるに至りました。そこで,その問題のある理事の退任を求めるなど経営上の問題を解決すると共に,その医療法人の運営基盤を強固にするため,退任する理事の適正な退職金を確保し,支配権を経営に意欲と能力のある医師に委譲しました。
  7. 医療法人の支配権に争いが生じ解決した事案
    医療法人の理事長たる医師が,職員から登用した他の理事によって病院経営から排除され,決算関係書類も見ることができないという状況にあるという事案です。弁護士が医療法人及び理事長個人の代理人として,理事の解任手続等を活用し,正当な支配権を回復しました。
  8. 株式会社の株式を50%宛保有する者同士で争いが生じた事案
    友人同士半々の出資で設立した株式会社でしたが,この両者に経営上の対立等が生じ,何事も決めることができない膠着状態に陥っていましたが,弁護士がその一方の代理人となって交渉し,相手方の株式を適正価格で譲り受け,経営体制を整備することができました。
  9. 事業譲渡をした上で破産申立をした事案
    複数店舗を経営する株式会社が全体として経営破綻の状況にあるので,採算のとれる店舗だけを適正価格で事業譲渡し,その代金を破産申立の費用としました。会社としては破産しましたが,一部の事業は再生することができました。
  10. 倒産処理を債権者の要請により任意整理で行った事案
    ある商事会社の倒産処理を,債権者である大手商社・金融機関数社の要請を受け任意整理で倒産処理をしたという事案です。背景としては当初は再生の方向で進んでいたことから経営危機が判明した後の仕入れについて商社同士の主張が対立していたことと所有不動産の担保設定が一部金融機関のミスもあり複雑化していたことが挙げられます。そのような中で,当事務所の適切な権利調整が期待され,これに応えることができました。
  11. 倒産処理を債務者会社代表者が行方不明となったため任意整理で行った事案
    ある建築会社が,経営に行き詰まり,代表者が行方をくらましました。債権者には,建築資材の販売会社など業者のみならず,建築の着工金を支払いながら工事が全く進んでいないという気の毒な一般消費者たる債権者もいました。債権者委員会を組織し弁護士が関与して配当原資を確保すると共に,業者債権者の理解を得て,消費者債権者に手厚い配当を実現しました。